映画、ラジオをラジオクラウドで聴く大学生のブログ

kobayashiharukiは適当に作った名前です。

新文芸坐オールナイト2019年5/2

新文芸坐のオールナイト。「気になる日本映画達<アイツラ>2018」。作品は『あみこ』山中瑤子監督 『わたしたちの家』清原惟監督 『聖なるもの』岩切一空監督 『少女邂逅』 枝優花監督 の4作品。運が良いことに?すべてが未見だったのと運が良いことにGWは暇で暇で仕方がなかったので池袋に行ってきた。

 

席はほぼ満席で客層は若い人多めかな。トイレの長蛇の列に並んでいると「俺、○○に出てる△△と知り合いなんだよね」とかいう会話をしている輩がいて尿意と眠気と混ざって多少腹立たしかったがもちろん聞こえないふりをして並ぶことにした、まあ大学の映画サークルや作品関係者が大量にいる感じ。多分。

 

上映前に『あみこ』の山中瑤子監督の舞台挨拶があった。監督は謙虚なオーラが漂ってきて好印象。池袋は土地勘があるらしく私と一緒だと勝手に共感(共感はおしなべて勝手にするものだ)させていただいた。山中監督は新文芸坐によく通っていたらしくオールナイトでゴダールタルコフスキーを鑑賞していたという。わお。あとトークでたびたびエミール・クストリッツァの名前が出てきたので好きなのだろう。エミール・クストリッツァといえばTwitterでもつぶやいたが、テレビ東京の番組「家、ついて行ってイイですか?」のパロディAVの「家まで送ってイイですか?」に出演していた映画鑑賞が趣味で中でもクストリッツァが好きと言っていた女の子をどうしても思い出してしまう。AV界にも進出しているクストリッツァおそるべし。それはおいておいて山中監督は映画好きの非常に素晴らしい、こんな素晴らしい友達が欲しいと思ってしまう(そんなの向こうから願い下げされるのがオチである)ような人物であるというのが舞台挨拶の印象だ。

 

『あみこ』は女の子(あみこ)の自意識が爆発する。

youtu.be

RadioheadのLotus Flowerを知っていたことがきっかけでアオミに恋してしまうあみこ。「Lotus Flowerじゃん」と高校の校舎のなかでの運命的な会話をしてみたいものだ(異性に限る)。この流れで二人は下校をともにし、繁華街の横断歩道で女の子にはどうでもようなる日があってその日にAV女優のスカウトされたらOKしてしまうとあみこは言い出す。わお。上記のクストリッツァ好きのAVに出ていた子もたまたまその日だったに違いない。

 

 

わたしたちの家』は黒沢清監督が好きそうな映画といえばわかるだろうか。2つの話が同じ家のなかで起きる。一つは母子家庭で親が再婚間近という。もう一つはフェリーで出会った女性2人の話。正直によくわからない話を深夜にされてもと思ってしまったごめんなさい。

 

 

『聖なるもの』は早稲田の映画サークルに所属している童貞そうな男が人間か幽霊かわからない絶世の美女を主演に映画を撮る話。その絶世の美女役の南美櫻が海で全裸(後ろが見える)のショットあり。うん。アイデア勝負の作品にしか感じられなかった。

 

少女邂逅』は4本のなかで一番良いと開始3分で確信したがここで睡魔に敗れ寝てしまう。主人公がめちゃくちゃいじめられて、教師でゲロ吐くぐらいいじめられていたのに目が覚めたらみんなと仲良くなっていた。

『あみこ』はあみこの猪突猛進によりあっさり今いる場所から出ることができたが、『少女邂逅』に出てくる登場人物にはそれが出来ないほど繊細である。受験期の夏に沖縄に行くと親友と約束しチケットまで用意するが失敗に終わる。主人公は親の反対を押し切り大学からようやく別の地に行けることが確定したがそれと引き換えにあったのが親友の死である。ではあみこが失ったものといえば好きで好きで堪らない男である。女子大生の先輩と付き合っているのはわかりつつ長野から東京まで出てきたあみこは後先考えることを知らない。繊細さゆえの大胆な行動とも言えるだろう。『あみこ』で始まり『少女邂逅』で終わったオールナイト上映。『あみこ』のあみこ、『少女邂逅』の主人公と親友、どちらも現在いる場所からの跳躍の思いを通して人間味と青春味が溢れ出ていた。